2010年コソボ国会 総選挙監視ミッションの
詳細について(背景と募集要項)


<募集、ミッション共に無事終了しました。ご協力ありがとうございました。>



募集要項(11月23日版)


○以下の詳細な背景情報、募集要項などを良くご覧の上、関心がある方はまずは「関心表明」をお願いします。
 並びに、要員支援と現地プロジェクト支援のための寄付も広く募集しています。あわせてご協力をお願いします。

○「関心表明」は、こちら(問い合わせフォーム)から。

○総選挙監視ミッション専用のメールマガジン登録は、こちらから。コソボ内の支援プロジェクトに関心のある方も是非ご登録ください。

○厳冬の「1月のクリスマス」のための、コソボからの難民・避難民支援キャンペーンを開催中です。皆さんの自宅に眠っているテレフォンカードや金券類、外貨、使わなくなったデジタルカメラ、現金などで支援が可能です。詳しくはこちらをご覧ください

○12月20日前後から「クリスマスと年末年始の難民・避難民支援」のために、コソボ、セルビア、マケドニアでの支援活動のインターンも併せて募集します。詳しくはこちらをご覧ください

【凡例】コソボをKSを略します。

【総選挙に至る背景と少数民族への国会議席配分】
 コソボ政府は連立政権でしたが、大統領は第2党コソボ民主同盟から出ていました。大統領の政党党首と大統領の兼務が違憲とされて9月に辞任し、今般出された内閣不信任案に第1党のコソボ民主党も賛成し不信任案が可決、11月4日に国会が解散され、12月12日に総選挙となりました。
 代表的な報道は以下を参照してください。
http://www.afpbb.com/article/politics/2772451/6407534

 コソボ共和国国会定員は120名。多数派のアルバニア人以外の、5つの少数民族には21議席が細かく予め配分されています。セルビア人に10議席が、ロマ・アシュカリ人に4議席が、トルコ人に3議席が、ボシュニアック人に3議席が、ゴラーニ人に1議席が割り振られるなど、少数民族への政治参画に一定の配慮をしています。
 今回の選挙に対しセルビア政府は選挙をボイコットするように呼びかけていますが、選挙に行くことで処罰はしないとも宣言し、セルビア系住民の投票行動に注目が集まっています。

【このミッションの位置づけ】
・日本からの選挙監視、選挙監理ミッションは、通常国際平和協力法や外務省設置法に基づいて行われています。政府派遣の公式ミッションですから、権威はあります。他方、現地での行動の自由が固定されたり制限されるなど、自由で草の根的、市民の視点に立った活動とは根本的に異なっています。
 本会が行う選挙監視は、NGOの視点を取り入れて、他の国際監視団とのコミュニケーションや、少数民族や政党へのインタビューなども行い、広くそれらを総合して独自の視点から民主化のプロセスに寄与しようというものです。政府派遣とは根本的な考え方が異なることをご理解ください。

・NGOによる選挙監視では、選挙実施国の財政力の脆弱性から、賃金、謝金はもとより必要経費の実費支給さえもありません。自らの資金を拠出して行う活動であるからには、自らの「気づきや学び」そして何より国際社会での経験となるような配慮が十分になされるべきと本会では考えています。
 本会はそもそも人材育成のための活動を直接支援活動と共に両輪の輪としてきたので、気づきや学び、経験に資する活動も重点的に視野に入れて、業務を構成していきます。

・この募集要項の時点(上記標題の日付を参照)では、構想として次のような活動を予定しています。

(1)本体業務として、選挙監視、選挙プロセス監視、開票作業監視などを行います。
(2)域内の少数民族の選挙への関わり方、自由で開かれた選挙の実施状況調査と促進にも、積極的に関与していきます。
(3)構成される多くの民族や政党とのコミュニケーションを通じて、民主的政治プロセスの現状と課題を学びます。
(4)OSCEや国際監視団とのコミュニケーションを通じて、情報共有促進を積極的に図ると共に、各国の要員との交流も行い、視点や体制の違いも学びます。
(5)本会の行っている貧困層や難民の支援プログラムを国際監視団の要員に見てもらうことで、コソボ社会が根本的に抱えている課題の理解を促進します。
(6)その他、参加メンバーの希望に添った活動も可能な範囲で随時追加します。

【募集人員と募集要項】
<参加要件>
・高校卒業の年齢以上であること。学歴、経験は問いません。
・英語による業務遂行が可能なことが望ましいですが、本会では国際社会での実務やフィールド経験を積むことにも主眼を置いているので、役割分担の調整によって語学力が不足する場合でも参加できることもありますので、お問い合せください。
・事前研修の都合上居住地は日本を前提としていますが、直接現地入りできる地域からの参加も歓迎します。
・国籍は問いませんが、日本国籍者以外については、途中経路の査証取得が難しいと判断した場合は参加できない場合もあります。
・選考は原則として行いませんが、動機作文の内容が著しく適性を欠くと判断した場合は、選考を行う場合もあります。

<募集人員>
・20名程度

<締め切り>
締め切り:11月26日(金)

【活動参加までのプロセス】
@関心表明→
A最新のインフォメーションペーパーの提供→
B説明会の開催(日本国内)または電話・スカイプ等(海外・国内遠隔地)での意思疎通→
C参加意思表示(詳細は以下参照)→
D移動日程確定→
E参加費、移動手配費用等の支払い→
F日本での研修(出発前直前合宿研修を含む)または欧州経由地または現地での研修→
G活動参加→
H活動結果の成果作成(レポート等)→
I活動成果の公表(日本国内及びウェブサイト上など)など

【参加意思表示】
・提供された情報を全て読み、質問や説明会または電話等で十分に活動を理解したら、意思表示をお願いします。意思表示は、400字以上の「参加動機作文」提出をもって行います。

・意思表示の撤回はもちろん可能ですが、意思表示があり次第班編制や現地の受け入れ体制等手配に入っていきます。もし撤回の可能性がある場合は、意思表示を控え、問題点や疑問点を確認した上で意思表示をお願いします。
・意思表示の撤回の場合は、撤回の理由書を添えて、文書で行ってください。
・意思表示後、撤回までに手配等で要した実費を請求する場合があります。

【活動参加促進と活動後キャリアへの配慮について】
・本会は、参加意思を持つ者の所属する教育機関(大学、大学院等)や職場への公文書の発行等を通じて、公休などを取りやすい側面支援を行う用意があります。

・活動終了後には、本会から活動従事証明書を発行します。
・活動終了後に、コソボ政府から活動従事証明書を入手できるように、現在調整を行っています。

【活動形態等のイメージについて】
・活動は、常にグループワークとなります。現時点では3名(予定)からなる班をひとつのグループとする予定です。1グループに1名の現地コーディネーターがつき、通訳業務やサポートを行います。
・活動はおおむね午前8時から午後4時頃まで日中に行い、その後情報共有のブリーフィング、意見交換とフィードバック等を通じて、翌日の準備を行います。
・必要に応じて、夜間も午後8時頃まで活動を行う可能性があります。
・各班に携帯電話を支給します。ミトロビツァ市内におかれる予定の本会の現地実施本部との連絡調整は容易です。
・現地での宿泊はホテルとなります。現地家庭の様子を知ってもらうために、一般家庭訪問を行います。
・現地での移動は、乗り合いタクシーやバスを含め公共交通機関を利用し、自家用車に乗ることは原則としてありません。

【現地への移動について】
・日本からの参加者は、原則として本会が指定するフライトを利用して往復が望ましいと考えています。特に往路は、メンバー間コミュニケーションを図るという意図から、本会としては、成田、関空と選択肢が広い、トルコ航空(イスタンブール経由)を現時点では考えています。但し、何かの事情で指定する航空会社がある場合などは予めご相談ください。

・日本以外の在住者については、任意のフライトで現地入りして頂くことになります。旅程については、研修及び現地コーディネーションと安全管理の観点から十分にコミュニケーションを図ってください。

・ミッションの基本的な期間終了後は、適宜自らの研究や関心等のための行事を入れることは自由です。旅程については、安全管理の観点から十分にコミュニケーションを図ってください。
 なお、ミッション前の観光等はご遠慮願います。

【パスポート、ビザ等について】
・パスポートについては、12月初旬を基準として3ヶ月以上の有効期限があることが望ましいので、6ヶ月を切った旅券については、更新をおすすめします。詳しくはご相談ください。 ・日本国籍者については、ビザ(査証)は一切不要です。
・日本国籍者以外の参加も歓迎しますが、査証取得に困難が伴う場合は、参加できない場合があります。

【現地と日本とのコミュニケーションについて】
・基本的なコミュニケーションは、電子メールが最も発達しており、宿泊先の無線LANや町中のインターネットカフェを利用して電子メールは良好に利用可能です。
・現地に設置される事務局とは、電子メールはもとより、さまざまな電話、SMS等を使って多面的連絡体制を構築し、円滑なコミュニケーションに務めます。
 詳しい連絡方法等は、意思決定以降にお伝えします。

【安全管理等】
・活動する各班には現地の携帯電話を貸与し、円滑なコミュニケーションに務めます。その携帯電話からも国際電話等も可能です。
・本会のコーディネーターを通じて情報収集に務めています。安全に関する課題はほとんど考えられませんが、万一の不測の事態(交通事故、疾病など)に備えています。
 詳しい内容は、意思決定以降にお伝えします。

【旅程案(日本出発の場合)】
(現時点での予定。異なった参加日程もご相談ください。)

12月4日〜5日 直前合宿(1泊2日予定)
 5日(日)14:25 成田発(トルコ航空51便)(イスタンブール泊)
 6日(月)13:25 プリシュティナ着
 7日(火)全体ブリーフィング、担当コーディネーターと打ち合わせ、担当フィールド下見
 8日(水)中央選挙委員会でのブリーフィング、研修等
 9日(木)参加政党へのリサーチ、担当投票所下見、日本人国際機関職員との意見交換
10日(金)国際監視団とのコミュニケーション
11日(土)担当投票所最終下見、国際監視団とのコミュニケーション
12日(日)投票日
13日(月)国際監視団とのコミュニケーション、国際監視団を本会フィールドへ
14日(火)予備日(一部14:20 プリシュティナ発イスタンブール経由成田へ・翌日着)
15日(水)最終ブリーフィング、ミッション終了(または延長希望の場合は延長)
      14:20 プリシュティナ発イスタンブール経由関空へ・翌日着

【旅程案(日本以外から参加の場合)】
 6日(月)中にプリシュティナへ 事前研修(以後の合流も可能。ご相談ください。)
 7日(火)事前研修、日本からのグループ合流 総合研修
 8日(水)〜13日(月)上記の通り(統一行動)
14日(火)予備日(この日以降ミッション離脱可能)
15日(水)最終ブリーフィング、ミッション終了(または延長希望の場合は延長)

【参加費用について】
<渡航費用>
 トルコ航空を利用した場合、日本と現地往復はおおむね12万円程度(空港使用料や燃油サーチャージ等全てを含む)です。

<参加費>
 現時点での参加費概算額は約11万円程度です。現在調整中の部分があるため、詳しくは関心表明者に意思表示前にお知らせします。(海外での活動、特に複合的なミッションには様々な出費リスクが伴います。本会では参加費という固定費の形で徴収し、リスクを本会が全て吸収し、参加者には参加費以上の負担をさせないようなシステムを採用しています。標準参加日数10日間の参加者については、参加費という形で固定金額となります。11日め以降の滞在費用については、お問い合せください。なお、参加費には、以下に例示する程度の食費と保険料が含まれていませんのでご注意ください。)

<食費>
 おおむね1日1000円程度とお考えください。

<海外旅行傷害保険>
 海外旅行傷害保険については、詳しくは後日ご案内しますが、クレジットカードに自動付帯されている海外旅行傷害保険でも十分に対応できます。
 新たに加入する場合でも、ウェブ加入の場合約10日間で5000円程度とお考えください。

<事前研修費用>
 日本国内での事前研修費用は、宿泊場所(成田空港付近を想定)での宿泊費と食費でおおむね5000円程度、この他に研修場所までの往復交通費の実費が必要となります。
 現地集合の場合は、追加費用が発生する可能性もありますので、お問い合せください。

【終わりに】
 国際社会でのフィールドで多面的多忙な実務経験を積むことは、自らの可能性や限界を考える上で、極めて重要な要素です。
 独立後初めての総選挙という歴史的な選挙を迎えます。
 個人的経験ですが、本会を立ち上げて間もない1996年に、ボスニア紛争から最初のボスニア・ヘルツェゴビナ総選挙の監理要員として、外務省からOSCEに出向する形で参加したことは、多面的な意味で代え難い経験となっています。とは言うものの、行動の制約や無駄な時間が多かったことも事実です。
 今回の選挙監視ミッションは短期間ではありますが、「民主的選挙」「国の独立と主権」「少数民族」「紛争後の融和」「平和構築」など、多面的に学び、気づき、考え、経験する要素満載の機会と考えています。
 多くの皆さんのご支援、ご協力をよろしくお願いします。(代表幹事・須田浩之)

【連絡先等】
・問い合わせや関心表明は、問い合わせフォームをご利用ください。
・直接電子メールは、<jniv@nifty.ne.jp>
・電話は、03−3824−4011(午前10時〜午後8時。不在時転送あり)


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